たけろぐ

動物・植物メインのブログ.最近は日本の淡水魚ばっかり.

2015年12月

【クズアナゴ科】日本産イトアナゴ属3番目の種

Saurenchelys gigas sp. nov., a new nettastomatid eel (Teleostei, Anguilliformes, Nettastomatidae) from the western central Pacific
(Zootaxa誌)

オープンアクセスです!やったね!

上記の論文でSaurenchelys gigas Lin, Smith & Shao, 2015という種が記載されました.
実はこの種,「日本産稚魚図鑑(沖山編,1988)」の「イトアナゴ属sp. 1」と同種のようです.

つまり,Saurenchelys gigasは日本にも分布するということです.
成魚も日本から見つかるといいですね.
和名は今後だれかによって提唱されるのでしょう.
「gigas」だけどオオイトアナゴは使っちゃったからなぁ..ダイオウかな?

なんにせよ今後の研究に期待です.

【ウナギ目】台湾にょろにょろ祭

「山渓ハンディ図鑑15 日本の淡水魚」に関するあれこれ 追記

PC210001

2015年12月18日に発売された「山渓ハンディ図鑑15 日本の淡水魚」を買いました.
(奥付だと2015年12月30日発行)
読んでいて気付いたことをこのページに書いていきます.

○全体

学名は最新の研究が反映されています.
ゴクラクハゼもRhinogobius similisです.

全体を通して写真はとてもきれいです.ジュズカケハゼ類のページはつい「おぉっ!」と言ってしまいました.
コイ目やサケ目も素晴らしいです.ここまで写真が満載な淡水魚の図鑑は近年なかったので見ているだけでも楽しいです.
ただ,ハゼ科になると鰭がボロボロの個体が多くなります.マハゼほどの普通種がなぜあの個体なのか・・・
さらに,鰭立てが不十分なものも目立ちます.せっかくの標本なのにもったいない,残念ポイントです.

自然分布,移植分布が図で示されているので非常にわかりやすいです.漏れも多少ありますが,おおまかな分布を知るには十分です.

鰭条数などの形質が種名の横に書かれていますが,写真の個体がそれとは違う値であることがたまにあります.(旧トウヨシノボリの第二背鰭など)
ここは何とかしてほしかったです.

○個々のページ
・16~20ページ
筋節数がサラッと書いてあるが,ヤツメウナギ目の筋節数は鰓孔の後ろから肛門までを数えます.
その説明がないのはどうかと思います.

・120ページ
誤植:ホソモロコ → ホソモツゴ

・345ページ
カジカ小卵型の胸鰭条数13~17とあるが,15~17が正しいです.
「13~17」というのは「日本産魚類検索 全種の同定 第三版」のコピペと思われるが,この文献はカジカ中卵型と小卵型を分けていません.

・441ページ
写真の個体がクロダハゼかどうかは置いといて.
尾鰭の説明が雌雄逆です.正しくは「オスの尾鰭は点列が無く,メスの尾鰭の点列は明瞭」です.
また,分布に静岡県も入っていますが,これも間違いです.
日本産魚類検索 全種の同定 第三版」では確かに静岡県静岡も分布に入っていますが,正誤表[PDF]で消されました.著者は見ていないのかもしれません.

・444ページ
誤植:背鰭条数 I, 8~9 → VI-I, 8~9

・513ページ
ナミハゼが2つ並んでいますが誤植です.

ざっと見て気づいた点は以上です.
また何か気づけば更新します.

--2016/1/2追記--
・3ページ
オキシガステル亜科を使用していますが,527ページではオキシガスター亜科となっていて,名称が統一されていません.

・18ページ
本文中では「北海道から九州北部」となっていますが,分布図では鹿児島県まで色がついています.
鹿児島県では2007年に70年ぶりにスナヤツメ南方種が採集されているので分布図の方が正しいと思われます.

・37ページ
右列2行目:ヒレナガコイ → ヒレナガゴイ

・70ページ
「埼玉県と神奈川県では絶滅した可能性が高い」とありますが,その2県はもちろん,群馬県と東京都のレッドリストでも絶滅と評価されています.

・119ページ
ダルマハヤR. p. mantschuricus → ダルマハヤP. p. mantschuricus
ヤチウグイをヒメハヤ属PhoxinusにしているのでダルマハヤもPhoxinusにならなければなりません.

・165ページ
「ドジョウとは染色体数が異なるため,交雑しない.」とありますが…
確かにドジョウは2n=50でカラドジョウは2n=48と染色体数は異なりますが,2n=49の雑種は得られているはずです.
Detection of hybridization between two loach species (Paramisgurnus dabryanus and Misgurnus anguillicaudatus) in wild populations.
Survival and karyological analysis of reciprocal diploid and triploid hybrids between mud loach (Misgurnus mizolepis) and cyprinid loach (Misgurnus anguillicaudatus).
この話はいったいいつから出始めたのでしょうか?
それとも「日本のドジョウ」とカラドジョウは交雑しないという意味でしょうか?

・166ページ
背鰭条数が二つ並んでいますが,下の段は臀鰭条数です.

・174ページ
繁殖期の5~7月 → 繁殖期は5~7月

・202ページ
ギギ属 → ギバチ属
ギギはギギ科ギバチ属ギギ種となります.違和感がありますがこれが現実です.
Tachysurusにするついでにこっそりギギ属に変えちゃえばよかったのにー.

・224ページ
「仔稚魚はシラスと呼ばれ」
写真の説明だと「ヒウオ」を使用しているのでヒウオの方が自然です.229ページの「シラス」も.

・344ページ
胸びれの軟条数がやや少ない → 胸びれの軟条数がやや多い
胸鰭軟条数が多く,暗色帯があるのはカジカ中卵型の方になります.

・377ページ
背鰭条数 VI-45~50 →VI, 45~50
ハイフンだと背鰭が2基という意味になってしまいます.「魚類検索 第三版」も間違っています.
それにT. sp. Bを使用するならT. sp. Bの形質を書くべきだと思います.

・378ページ
背鰭条数 VI-I, 30 → VI, 30
「魚類検索 第三版」でも「VI-I, 30」となっています.

・422~451ページ
ヨシノボリ属は「魚類検索 第三版」の正誤表で計数形質が大きく修正されています.
正誤表pdf

・442ページ
第1背びれが伸長しないタイプ → 第1背びれが伸長するタイプ

・509ページ
太平洋系陸封型イトヨの学名:subsp 1. → subsp. 1(むしろsubspp.の方が適切)
p278ではsubspp.としているのでどちらかに統一すべきです.

・509ページ
ハリヨの学名:subsp 2. → subsp. 2
太平洋系陸封型イトヨと同じくこれもsubsp.だけの方が適切です.

・515ページ
ツマグロヒメハゼ → ツマジロヒメハゼ

とりあえず追記は以上です.
細かいのはまだあるので,やる気があれば更新します.

【本の紹介】大浦湾の図鑑

大浦湾の生きものたち―琉球弧・生物多様性の重要地点、沖縄島大浦湾―
2015/8/15発行

 


内容紹介
 琉球弧・生物多様性の重要地点として、沖縄島大浦湾の評価は特筆に値する。辺野古基地建設による埋め立ては、この生きものたちの楽園に壊滅的な打撃を与える。日本生態学会(会員4000人)をはじめ19学会は、連名で2014年11月、防衛大臣に対し、基地建設を見直すよう、要望書を提出した。本書は、大浦湾に息づくおよそ700種を1000枚の写真で紹介する「辺野古の海図鑑」である。


大浦湾の場所はこちら
19学会が提出した要望書はこちら

3メートル以上ある未記載種のナマコ,クレナイオオイカリナマコが生息するようです.
チワラスボ属の1種も生息します.
他にも未記載種がいくつか見つかっています.
また,多くの希少種も生息しています.

辺野古の基地建設は日本にとってはいいのかもしれませんが,生物にとってはいいことなんてありません.
基地建設で絶滅する種も出てくるかもしれません.
そうなったら非常に悲しいです.

国のお偉いさんはどうしても建設したいようですが,うまいことやってもらいたいものです.

【ソコダラ科】日本初記録のソコダラ科魚類 追記

First record of the midwater grenadier, Odontomacrurus murrayi (Actinopterygii: Gadiformes: Macrouridae), from the northwestern Pacific off Japan. [PDF]
(Species Diversity誌)

オープンアクセスではありません,残念.

Odontomacrurus murrayi Norman, 1939が日本から記録されました.

FishBase ←写真があります

Odontomacrurusはクロボウズダラ属という和名になりました.
ということは,Odontomacrurus murrayiはクロボウズダラという和名になったのでしょう,きっと.

とりあえず,日本魚類学会HPの更新待ちとしましょう.

--2015/12/25追記--
日本魚類学会HPが更新されました.
やはりクロボウズダラでした.


【イサキ科】日本初記録のミゾイサキ属魚類 追記

First Japanese record of the haemulid fish Pomadasys kaakan (Perciformes), from Kagoshima Prefecture, southern Japan. [PDF]
(Species Diversity誌)

オープンアクセスではありません,残念.

Pomadasys kaakan (Cuvier in Cuvier and Valenciennes, 1830)が日本から正式に記録されました.
和名はカガヤキミゾイサキだそうです.いいですね.

これで日本産ミゾイサキ属Pomadasysは以下の4種となります.

マダラミゾイサキ 魚類写真資料DB
ホシミゾイサキ 魚類写真資料DB
スジミゾイサキ 魚類写真資料DB
カガヤキミゾイサキ FishBase

--2015/12/16追記--
写真追加です.
カガヤキミゾイサキ 本村浩之氏のHP


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